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翻刻
【柱】古今巻十六 〇二
しの狩衣にことにひきつくろひて侍るあしげなる
馬のふかしぎ成にこそ乗て候へといひければ此うへは
ちからなしかなしうせられたりとて秘蔵の馬を給はせ
てげりおなじ卿(きやう)の大和国なる所領より物を上ける
さたの物夫(ものぶ)よりはるかにさきだちてのぼりける程
にはや馬ねぶりをしてたづなうちすてゝ馬にまか
せて行程に此馬大和国の家のかたへ行けりつや〳〵と
しらずしてはるかに帰りにけりさる程さかりて
のぼる夫(ぶ)に行あひてければ夫(ぶ)これも何方へおはする
ぞといふ時はじめておどろきにけりねほけてかく