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コレクション: 養蚕の書

蚕養育手鑑 - 翻刻

蚕養育手鑑 - ページ 41

ページ: 41

翻刻

倩世の中を見るに愚痴(ぐち)なる貧者年々 蚕はつす時はゆへなく種元を恨み隣の宝を かそへて先祖の業をかんし身に不自由のく るしみをあたふる事あさましき事共かな 又蚕のために仏神を祈りて感応有といへ とも養育の理にとゝまらさる時は徒(いたつら)にしても しるしあらし庶幾(こいねかわく)は世の中の下手は上手に 習へし上手は経たに教よかしと思へとも とふに甲斐なき浮世かな我たま〳〵此理を得 るといへ共世の中の蚕愚なる人に教へん とするは憚多しせめては永く子孫に 伝へんとするこゝろのみにて是をつゝり畢 歌に〽とにかくに書も夢なり読も夢ゆめさめやらぬ憂世なりけり 旹【時】正徳二年壬辰十一月 上州群馬郡桃井庄                   馬場氏重久綴之 于時宝暦五乙亥初夏         津金氏豊常写之   うつし置人も夢なり          写すのも    夢のゆめ成夢の跡かな