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コレクション: 養蚕の書

蚕養育手鑑 - 翻刻

蚕養育手鑑 - ページ 40

ページ: 40

翻刻

【右帖】 右の教若無據望有て人是を広く及ほすと きは寒国暖国のわけ有又干湿の土地ありそれは いつれも補に多少の品を以かわるへし養蚕の 理におゐては全く替るへからす又云世の人 愚(をろか) にして我より他の勝るをそねみ妬(ねたむ)是蚕には 限らされ共かいこ先は婦人の仕業なれは其妬 深し慎むべし    あけうばふ柴【原典:紫】にだになかりせは勝れし通をたれかにくまん 我此書を作るといへとも身不祥にて覚智の余力 なし故に文つたなく文字の誤有へし程_レ然我 廿の年より蚕は養育にとゝまるものにと覚へ 【左帖】 随分心にかけて近辺の上手と云人に養育の理を 尋又有所に一代の内蚕に不足とらさる老女あり かれに委しく習ひ込是を元として或は近国の 蚕繁昌なる所の術を聞又近所合壁にて蚕 仕損したる其根をたゝし有年は蚕の種 色々出し初中後を産せためし養をして 休起に滞たる發元を知又有時は上繭壱升 の蚕の数をとめ下まゆ壱升の蚕の数をとめて まふし一籠の【農】損徳をかんかへ此外あらゆる ためしに妻諸共に心を尽し三十年来を へて今五十歳に及漸蚕養育の理を依得(えとく)す