翻刻
きつねは江戸より
しやふ【状(手紙)】をよこし
それにても
わからぬゆへ
そうめうだいに壹人
来り江戸のやうすを
はなすぬしたちが
あつちにいたときとは
またちがいました今では
こけのいつしん【虚仮の一心】のろま
なぞといふものもなし
べらぼうなしたわけ
なしやぼといふもの
なしはけものは
もちろんとはなせは
たぬきもねこ
またもあきれはて
そしてまあ
どふいふところが
いまはいゝのと
たづねければ
おとこもおんなも
いきといふ事が
はやり
みなつうと
いふものになり
なにいつても
ありがたい〳〵と
むしやふ【無性】に
ありがたがり
このほうども
いちゑん
がてんゆかず
どうか
やまし
にでも
つかまつて
ばかされそうで
きみがわるい
それで
まゆげを
ぬらして
います
【左ページ下】
かのこもちの【?】
かんしん【?】
□やく【早く】おちやを
あげろ