翻刻
【右丁】
腐婢(ふひ) あづきのはな
蛾(てう)の形(かたち)にして黄色(わうしよく)なり
一説 はまくさぎ
紀州 及(およ)ひ暖国(たんこく)の海辺(かいへん)にあり高(たか)さ丈余(しやうよ)枝葉(ゑたは)対生(たいせい)し桑(くは)の葉(は)に
似(に)て小く鋸歯(かゝり)粗(あら)く臭気(しうき)多(おほ)し夏月(なつ)梢(こすへ)に穂(ほ)をなし花を開(ひら)く蛾(てう)
の形(かたち)にして黄色(きいろ)なり後(のち)円(まる)き実(み)を結(むす)ふ此(これ)弘景(こうけい)今(いま)海辺(かいへん)《振り仮名:有_二小樹_一|せうしゆあり》
状(かたち)《振り仮名:如_二卮子_一|ししのことくにして》茎(くきに)条(すし)多(おほく)曲(まかり)気(き)《振り仮名:似_二腐臭_一|ふしうにゝたり》土人呼(としんよんて)《振り仮名:為_二腐婢_一|ふひとなす》といふ物これ
なり一説 蘇恭(そけう)葛花(くわつくは)《割書:くつの|はな》を以(もつ)て真(しん)となせり
【左丁 文字無】