翻刻
【右丁】
一種 ねこのめ《割書:江|州》
ごまあづき
夏(なつ)あつきの形(かたち)
にして光沢(つや)ありて
小く黒(くろ)き斑(またら)あり
一種 くろあつき
しゝくわず
小にして深黒色(しんこくしよく)味(あしは)ひ
良(れう)ならす義烏県(きうけん)
志(し)の黒小豆(こくせうつ)なり
【左丁】
一種
つるあつき
かにのめ
越後(ゑちこ)蒲原郡(かんはらこほり)下野(しもつけ)壬生(みふ)の村(むら)にあり俗(そく)に
ござりあつきと云 武州(ふしう)道灌山(とうくわ[はヵ]んやま)に自生(しせい)あり
蔓(つる)長(なか)く穂(ほ)をなして黄花(わうくは)を開(ひら)く莢(さや)も長大(てうたい)
にして多(おほ)く攢簇(さんそく)す粒(つふ)長(なか)ふ小にして白目(しろめ)長(なか)し
授時通考(しゆしつうかう)に蟹眼(かいかん)といへり一名はくあつき
ともいふ
【二十五行六字目「蟹」のルビ「か」は別の字の上から書いている】