翻刻
【右丁】
おしさよいさこのきみをうち
申しう【主】なくして御あとを
ちぎやうせんと申おと〳〵か
是を聞あらもつたいなの御
たくみや候この君の御おんを
あめ山にかうふり人となりし
我らそかしいにしへの御おんを
わすれ申我らか手にかけ申
ならは天めいいかてのかるへき御
しあんあるへしあに此よしを
聞よりもさては汝は君と一た
いよなつゐに此事もれ聞え
なは我一人か科たるへしよそに
【左丁】
かたきはなきそとよわ【「は」とあるところか】殿とあふ
てしなんとて刀のつかに手をかけて
とんてかゝらんとす弟か是をみて
けにとさやうに思召給はゝたとへ
は手にかけころし申さすとも
いきなから此島にすておき申て
帰るならは所はわつかの小島にて
十日はかりも御命何になからへ
給ふへき兄此よしをきゝおもし
ろくも申されたる物かなさらは
さやうにつかまつらんとていたは
しや君をはけんかいか島にすて
をき申本の舟にあかり余方【四方のこと】の