翻刻
【右丁】
思召つれ共うたれぬるうへちから
なし詐にけしやうを折こなふへ
きへつふ【別符】兄弟にはつくしの国司
をとらするそいそきまかり下
後家に宮つき【貴人に仕える】大臣かけうやう【孝養】
ねんころにとへ【弔え】とのせんしなり
へつふ承てあんに相違のせんし
かな日本国をと思ひてこそ君を
はふりすて申たれめつらしからぬ
つくしへとて又こそ下けるとかや
へつふみち〳〵あんしけるはさも
あれ我君のみたい所は天下一の
美人にてましませは風のたより
【左丁】
の玉つさを参らせてみんする
にうけひき給はゝ然へしそむ
き給はゝふしつけに申さんと
玉つさねん比にこしらへこれは
都よりの御状なりとてさゝけ
けれはみたい所は都よりのふみ
と聞召中〳〵うは書をたにも
御らんしあへすいそきひらいてみ
給へは思ひの外に引かへて別符か
方よりの玉つさなりあまりの
事のかなしさにふたつみつに引
さきかしこへかはとすてさせ給
命あれはこそとの給ひて御まほ