翻刻
【右丁】
其後みたい所かすの女房たち
をめしあつめさせ給ひ命あれ
はこそかゝることをもきくなれ
は今もふちせに身をなけあと
かきくれたく思へとも草の
ゆかりも忍ふゆへそよくこゝろ
もよしあしときみかおもかけの
夢うつゝにたちそふ時はまた
しゝたる人とは見え給はす然
はいのりの物と聞あふまて命
おしきなり大臣殿此まゝ御帰
朝なきならは我も身をなけ
むなしくなるへしさあらん時に
【左丁】
御かたみを山野のちりとなさん
よりたつとき人にほうじあと
をとはせ申さんとて御手なれの
ひわことわこんしやうひちりき
さうしの数をとりあつめたつ
とき人にほうせらる四十二疋の
名馬ともみなてふくへひかれけ
る三十二ひきの鷹いぬ【鷹狩に用いる犬】のきづ
なを切てそはなたれける此ほと
有し鷹しやうたちも思ひ〳〵に
ちらされける十二てうのたか共の
あしおをといてそ放れける十二
てうの其中にみとり丸と申て