翻刻
【右丁】
さふらふまし御しうの命にかは
らんこそさいはひにてさふらへと
忍ひやかに申ほとにおうちあ
まりのうれしさに姫をはみたい
所とかうしてまんなうか池に姫
かゐたりしちや【「ゆ」の誤記ヵ】うたいかゝきみを
はかくし申たれかたみは是に有
そとてかすのかたみを取出しむは
か手へこそわたしけれむははかた
みをとり持て是は夢かやうつゝ
かやさりなから君をたすけ参ら
せしこそ歎の中のよろこひなれ
しかりとは申せ共人間にかきらす
【左丁】
生をうけぬるたくひの子を思はぬ
はなかりけり三かいのとく尊【三界の独尊】しや
かむにによらい【釋迦牟尼如来】たにも御子のらこ
ら尊者をは又みつけう【密教】ととき
給ふこんしつてうは子をかなしみ
しゆらのなつきにはしをたつか
よるの鶴は子をかなしみれんり
の枝にやとらすやきうこうし
を【意味不明】ねむり野外の床にふすと
聞いきとしいき生をうけぬる
たくひの子を思はぬはなき物を
我身を分しひとり姫しうの命
にかへし事恨とはさらに思はねと