翻刻
【右丁】
もおしからすと明なはいそき尋
行万なうか池に身をなけて
二世のちきりをなさはやと思ひ
入てそおはしける其後おうち
かこゑとして今より後はいま
〳〵しうなくひそとこそ申
けれむは此よしを聞よりも
哀けに世中に心つよきは男
子也おうちのやうにつれなしこそ
しうも別もかなしまね我ら日
比の御情只今のやうに思はれて
いかにいふともなかふそとて又さめ
〳〵となきゐたりおうち此よし
【左丁】
聞よりもあらやさしのむは
こせ【乳母御前】やさほと君を大事に思ひ
申さは物語してきかすへし
かまへて口はしきくなおそろ
しや彼別符のうしろみ【後見】の中
太はおきなかおいにてある間み
たい所のふしつけられ給はん
事をおうちかねて承り是を
は扨いかゝはせんと思ひあひしの
ひとり姫みたい所と御同年に
まかり成を御命にかはるへきかと
尋てあれはひめはなのめによろ
こふて男子女子にはかきり