翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

鬼の趣向草 2巻 - 翻刻

鬼の趣向草 2巻 - ページ 10

ページ: 10

翻刻

せんくはうし 如来をさま たげんと来りし 鬼 むす めは いろ〳〵 と 心を くだけ ともによ らいのりやくふかければ中〳〵さまたげ することあたはずあきれはでゝ ゐけるがもはや今はかなはぬと 思へばちからもおちしほどに はらさへへりてちからなく こゝかしことあるきて見あ たりたるをさいわいと瓜 すいくわの見世にかけいり あり合まくは瓜をつかみ とりてしたゝかにくらい けるうりて【売り手】も此ありさま を見るよりかけ出て人〳〵 にかくとつげ けるこれを まくは瓜の おにをする といふことを 【左ページ】 いゝなら はせり このさはきに両国中のあきんとみな〳〵にげちりけるあとにてこゝ かしことあばれあるきてほしいまゝに しけるこゝにだんごこはめしにしめ なとうる見世にてなべの中 なるにしめに入しこぶをのこら ずくらいける世の中にいゝつたへ て鬼にこぶをとられしと いゝ  し  も 此こと なる  べし 【鬼にこぶを…:こぶとり爺のことを言っている】 【逃げ惑う人の台詞】 やれこはや 〳〵 いのちが もの だね ほんなれ ではなく てゆめに なれ〳〵   〳〵 【良い夢が本当になれ=ほんなれ、ではなくて、この恐ろしい事が「夢になれなれ」と言いながら逃げている】 【煮しめを食う鬼娘を見て腰を抜かす男の台詞】 にしめでは なくて みじめだ こはめしでつくつた 鬼といふことはおら が見世にもあるが 正じん【正真】の鬼にあふ とはこはめし  よりもこはい       〳〵 【こはめしでつくった鬼:純度の高い酒(鬼殺し)の事か?/強強は米を蒸したもの(おこわ)。酒造りも米を蒸して使う。】