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鬼むすめはしすましたり思ふてゐけるにやはり
大せい夜のうちからどろ〳〵と参るゆへかたちを
かくしてこれに付て行ばほとなくゑかういんに入
けるくちをしやさきにたば
かられたりこれこそ正じん
の如来なりいでうち
くだかんととびかゝる
と見へしがふしぎ
や如来の光明かく
やくと
すると
見へしが
大とうば
おのれと
うちかへりて
鬼むすめ
をおさへ
ける鬼も
いろ〳〵と
もがけ
とも
仏力
に
かつことあたはずたちまちにじや
【左ページへ】
しん【邪心】をひるがへしがつしやう【合掌】して
如来をきやうらい【敬礼】しけるこのとき
鬼のめにあみた【阿弥陀】をはじめて
おがみしを
今あや
まり
て
鬼の
目になみたとは
いふとなり
如来□すなはち両国の見世物しを
よ□給ひ諸人の見せしめにひろこうじ【広小路】
にて見すべししかしやつたもつた【?】はそつちで
せいとの給ひてわたし給ふそありかたき
【両国広小路:大火事の際に木造の両国橋が類焼しないように橋の東西に建物のない広場が設けられていた。これを両国広小路という。近くの回向院は各地の寺から出開帳があるので有名だったが、その参詣客をあてこんだ見世物小屋がこの広小路に立ったという】
【右ページ大塔婆をおさえる男の台詞】
たんばぐりの
かんばんに鬼のねん
ぶつ申句?これを
見てこしらへし
ものか
【大塔婆の下】
見世物
し【師】
こと
ば
を
そろ
へ
われ
ら
べつ
し
て
あり
がた
う
ござ
り
【左ページへ】
ます
がお
まへ
さまへの
みやうが
せんは
してやん
して
どう
いたし
ま
しやう
と
しやれ
る
【大塔婆の文字】
奉開帳信州善光寺□尊
釈曰?《割書:願以比功徳 平等施一切|同発菩提心 往生安楽国》導師 大願人□