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翻刻
【右丁】
五十七番
哥の心は月の
夜みちにて
をさなき時
のともだちに
ゆきあひしによくは
見わかねどもたしかにその人ならん
ことばをかはさんかとおもふうちにはや
ゆきすぎて見うしなひぬそののこりおほ
きことさながらさえたる月のにはかにくも
がくれしてむなしきそらをながめやるごど【「と」とあるところ。濁点は余分】く也と
そのともだちを月によそへてよめるなり
【左丁】
紫式部(むらさきしきぶ)
めぐりあひて
見しやそれ
ともわかぬ
まに
雲(くも)がくれ
にし
夜半(よは)の
月かな
【画面右側】
香蝶棲
豊国【國】画