翻刻
【右丁】
なの御事やとそ申されける扨あけゝ
れはけんひいし物ともむかひにきた
り候はんつれは御帰り候はんと申給へは
宮けに出んまてもそひたてまつら
はやとおもへともかた〳〵人きゝわろ
く候申ゆるす事あらはいそき人をは
かはすへしたゝゆめとこそおほゆ
れさりなからひめきみいたく御なけ
き候やなかされ人もかならすめしかへし【呼び戻す】
といふ事有をの〳〵いのちおしみ給へ
【左丁】
と仰ありて御かへりあるひやうゑのす
けとの我七さいの年よりてんしやうに候
へとも宮の御なさけにひかれまいらせ
てかたしけなくおもひまいらせ候是こそ
さいこの御みやつかひのはてにて候へとて
ちうもんまて御をくりにまいり給ふ
宮御くるまのうちよりにしのかたを
御覧しけれはあり明の月山のは
ちかく成けれはかくなん
かけはなれ山のはちかく成ぬとも