翻刻
【右丁】
事もふひんさによしなき御宮
つかひ仕りかゝるうきめを見候事わか
身の事はさてをきぬたゝいもう
との思ひいたはしくてみちもいそかれ
候いぬとなく〳〵申給ひてしかるへ
き御事にこそ御なさけをもかけ
させ給ひ候へ頼むかたなくて候はんす
れはかまへて〳〵ふひんにおほし
めして御覧せさせ給はてたのみ
入まいらせ候いつくまても有かたく思ひ
【左丁】
まいらせ候はんとの給へは宮きよい【御衣】の御袖を
ぬらし御なみたをおさへさせ給ふやゝ久
しくありて後しかるへきえんにても
こそあるらんみそめしよりをろかな
らすおもひ奉り候たゝあのえ事は心
やすく候へさりとも命あらはなとかわ扨
もはつへき我世の中にあらんかきりは
しめちか原とたのみたまへ今のわか
れこそかなしけれとせんしなりけ
れはひやうゑのすけあら〳〵かたしけ