翻刻
【右丁】
にしのたいに入せ給へはひめきみもこれ
をさいことやおほしけんきちやうたかく
あけさせておはしけれは兵衛の介ひめ
きみのかたをつく〳〵と御覧しける
ひめきみはもみちかさねの七つきぬ
にくれなひのこうちきめしらうたき【弱弱しくいじらしい】
御さまにてなきかなしみ給ふみるに
なみたもとゝまらすひやうゑのすけ
のたまふやう宮の御けしき今は
をろかならす見えさせ給へともいか
【左丁】
成御心かわりなともわたらせたまはゝ
やかてさまをかへさせ給ひちゝはゝの
こせ【後世】をもとひ給へわれも今はたのむか
たも候はす又わかなけれはとてたれ
にもおろかにし給ふな我をさへうし
なふ人〳〵なれはましてひめきみ
なんとうしなひ申さん事いとやすか
るへしあひかまへてみな〳〵御そはを
はなれすうちそひ給へ姫君ゆへに
さのみ物をおもふこそかなしけれとの