翻刻
【右丁】
なひしなみたとともにをくり給ふ
すかた見えすなりけれはたゝうちふし
なきたまふ扨兵衛のすけくるまにのり
三条えおはしましてつま戸をたゝ
きこんの少将をめして宮いらせ給ひ
たるかととひ給へはたゝ今入せたま給ひ候と
申すさらは申したまへおもわさる外
のせんしをかうむりみやこをまかり出
さつまの国にこそなかされまいらせ候へ
御心しつかに御いとまこひ申候はんとて
【左丁】
まいり候へと申給へはこんの少将何ゆへそや
とてなく〳〵参りて申けれは宮さわか
せ給ひて火をしろくかきたてゝきち
やうあけさせ給ひてこれこん〳〵と仰ら
れけれはひやうゑのすけなをしかき
つくろひなく〳〵参り給ふひめ君は
きゝもあへすふしまろひしのふけ
しきもなくなき給ふ宮いかに
おもひもよらぬ事かないか成事そと
てたつねありけれはうけたまはわりて