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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 28

ページ: 28

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【タイトル】 勧善懲悪 官許 錦画新聞 第三十号 投書  編集 時習舎 【本文】 潔白(けっぱく)なる行(おこな)ひは聞(きい)てもいさぎよきもの也大阪天満辺の 一 商人(あきんど)の手代かけ取にいきしに 何(いづ)方にてか五円札を受(うけ)取(とり)て帰(かへ)り支配人(しはいにん)に差出(さしだ)すに是(これ)は贋(にせ)札と いはれ大きに驚(おどろ)き不調法(ぶちようほう)をつくのはんとて 其(その)贋(にせ)札を高麗橋四丁目岡田清藏 かたへ印紙(いんし)を買に持(もち)行しに折(おり)ふし 岡田の主人(あるじ)留主(るす)にて婦人(おんな)の事ゆへ 何心(なにこゝろ)なく贋(にせ)札を受取たりしが かの手代はしすましたりと悦(よろ)びて 家(いへ)に帰(かへ)りて朋輩(ほうばい)に斯々(こふ〳〵と) 告(つぐ)るを主人(しゆじん)洩れ聞(きゝ)て大いに 怒り贋(にせ)札としりながら是を 用(もち)ふるは人をおとしいるゝぎ也 左様(さやう)の不人情(ふひとがら)なる事をなすは 以(もつて)の外(ほか)の事也 速(すみやか)に岡田氏に詫(わび)て取戻(とりもど)し来(きた)るべしと 言付(いつけ)られ手代その理(り)に伏(ふく)し岡田へ行しに又岡田かたも主人(あるじ) 帰(かへ)りて留守中(るすちう)に受取(うけとり)たる金札の贋(にせ)なるを見(み)てケ(か)様(やう)な物が 人手にわたらば難義(なんぎ)するものゝ出来(でけ)るもの也 とて速に引さき捨(すて)たり折からかの手代 来(きた)りて 主人の口上(かうじよう)を述(の)べ厚(あつ)く詫(わ)びて正札五円を出すに 岡田氏是を受(うけ)ず贋作を受取(うけとり)たるは我方(わがかた)の 誤(あやまり)也 既(すで)に如斯(かくのごとく)引さきたり替(かへ)金に不及(およばず)といふに 手代 感伏(かんふく)し家(いへ)に帰(かへ)り主人にかくと告(つぐ)るに主人 早速(さつそく)岡田へ来り手代の誤(あやま)りを謝(しや)して替金を出せども 岡田氏はさらにとらず互(たが)ひに押(おし)含 終(つい)に双方(そうほう)半 分(ぶん)の損(そん)と定(さだ)め 岡田氏へ金二円五十銭わたされしとぞ実(じつ)に互(たがい)の心かげは感心(かんしん)なものなり 新聞局 《割書:本町四丁目|藤井時習舎》 【紙面中央下】 画図 芳瀧  印