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新聞文庫・絵 - 翻刻

新聞文庫・絵 - ページ 52

ページ: 52

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日々 新聞  第廿号 大阪府下舩越町に接骨(ほねつぎ)を業(ぎよう)とする松本 あいと号(いふ)一婦人(おんな)あり心に柔術(やわら)のたしなみ あれど二十六年にて容貌(ようぼう) 美(び)なるに 其勇かくるゝ 明治八年第一月 の初 近傍(きんぼふ)の女子一人を 連立(つれた)ち長柄堤(ながえつゝみ)を 通るに川風寒き黄(ゆふ) 昏(ぐれ)に四人の荒男(あらおとこ) 跳(おど)りかゝり 二女をとらへて 戯(たはむる)るにはじめは弱(よわ)く云のがれしに不作法(ぶさほう) 次第(しだい)に 強(つよ)うなり二人を倒(こか)し上へ乗(のり)たる有りさま松本あいは最(も) 早免して置べきかと四人の男を一人にて馴(はね)のけ蹴散(けちら)し 手練(しゆれん)の早業川へざんぶと投(なぐ)るもあり悪党はこれに 恐れ皆々(みな〳〵)是はと一同に跡白浪(あとしらなみ)の川 岸(ぎし)を灰(はい)まくごと如く 迯散(にげちり)【逃の異体字】たり 元此いかなる人の果(はて)やらん父は剣法(けんはう) 柔術(にうじゆつ)に定めて名を 得し人柱も長柄の橋のあと絶(たへ)て娘の勇気(ゆうき)が匡(かたみ)かと感(かん)せぬ 人はなかりけり     花源堂誌           小信改二代            貞信画             綿政板