翻刻
【右丁上部】
女川が
うし
じまに
いるおり
あさ
くさの
もの
とをり
かゝり
いわん
かたなき
うつ
くしき
ふう
ぞくほしかるもの
やまのごとしせめて
なんぞしゆこうも
あらんとひろこうし【広小路=東京都台東区上野を南北に通じる大通り、および、その付近の通称。江戸初期の明暦の大火以後に寛永寺黒門から南へ延びる通りを拡張してできた。】へ
女川なめしといふもの
をはじめければすさまじくはやり
だん〳〵にるいみせ【類店】おゝくできいつれが
女川らいるかとおしなべてはんじやうし
和中さん【和中散=近世売薬の一】のやうにとれがほんけ【本家】か
しれぬやうにうれもつとも
でんかくのじんじやう【尋常=ありさまが立派なこと。品のよい、しとやかなさま】もすべて
女川かふうぞくにならひしなり
女川なめしのじつせつ【実説=実話】なり
【右丁 右下部】
まづおかんおんさままいつてからよ□【文字うすく判読不能】
【後の2行も文字が消え判読不能】
【右丁 左下部】
女川とやらは
なに
や□
と
やらか
うけこし
たてはないか
【左丁 上部】
わりめしは江戸にいては 人めにたゝんと
女川をつれてたちのきやう〳〵と
あれたる百性の
いゑにやどを
たのみけれはやさしき
ばゞにてやどをかし
なにもなけれど
あわのめしを
しんぜませうと
ふるまいければそれは日本一にて候と
さいみやうじどの【最明寺殿=北条時頼】ゝやうによろこび
そうおう【相応】なるうつはもなけれは
まつのはにのせいたしけれは
こゝろざしはまつのはと
かんしやうじやう【菅丞相=菅原道真の異称】のせりふにて
ま事にさむしきときまづい
ものなし女川もじんじやうな
くちにしてはなか〳〵よくくい
よろこぶおりふし【折節…丁度その時】このやの
あるじぢゝめしおやぢ
かへりかゝりひとたくみ
する
【左丁 下部】
おまえかたもなにかわけのあり
そふな
事わしが
あわめしを
おふるまい
もふし
ろせい【盧生】
といふ人は
あわめしかしく【炊く】うち
ゑいがのゆめを
見たといふ事
二人あやかつて
ゑいくわを
なさり
ませ
【左丁 左中央部】
やさしきばゞさま
ゆへよろこぶ