翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

鬼娘伝 - 翻刻

鬼娘伝 - ページ 15

ページ: 15

翻刻

の扉(とびら)を開(ひらき)たり。其間(そのあいだ)より見(み)やり たれば。御簾(ぎよれん)を挑(かゝけ)て。焔王(ゑんわう)の玉座(ぎよくざ)と 見へて。浅草(あさくさ)の焔魔(ゑんま)よりは二割形(にわりがた)も 大 振(ふり)に見へさせ給ふ左右(さゆう)の座(ざ)には でつしりと居(すわ)つてからは。みぢんも動(うごか)ぬ ぶせう神(じん)罪人(ざいにん)水上帳(みづかけてう)と上書(うはがき)せし 大帳(だいてう)を扣(ひか)へ階下(かいか)には)見(み)る目(め)かく鼻(はな) 目(め)をいからし。鼻(はな)をぴこつかせ。牛の頭(かしら) 馬(むま)の頭(かしら)の者(もの)。黄木綿(きもめん)に。虎(とら)の皮(かは)の形(かた) 打(うつ)たる。褌(ふんどし)しめ踏馬御免(ふみむまごめん)と染貫(そめぬき)し 紺(こん)の腹当(はらあて)し。昼食(ひるめし)時分(じぶん)と見(み)へて 飼葉桶(かいばおけ)に首(くび)さし入(いれ)。修羅(しゆら)の太鼓(たいこ)を打(うつ) たる有様(ありさま)。すさまじくも又(また)心地(こゝち)よし。 焔王(ゑんわう)遥(はるか)に見やり給ひ。汝(なんじ)娑婆(しやば)に在(あり)し