翻刻
孔子(こうし)は飴(あめ)を見て。老(をい)を養(やしなは)ん事を
思ひ。
盗跖(とうせき)は鎖(じやう)を明(あけ)ん事をおもふ。
弘慶子(こうけいし)は壺(つぼ)に入れることを工夫(くふう)し。
坤乾羅統(こんけらとう)【?】は枯木(かれき)の枝(ゑだ)の危(あやふき)事を
謡(うた)ふ。夫(それ)相応(そうをふ)の思付有。両国鬼娘は
須臾(しゆゆ)に化(け)して。贋(にせ)鬼の多(おゝ)くなりしは。
時ならぬ節分の豆に追はれし故(ゆへ)也
其(その)作。実の鬼娘に勝少なし。なめし
革(がは)を以(もつ)て面の皮(がは)を張(は)り。一とせ
流行(はやり)し蟇(ひき)の目玉を用(もち)ひ。蝋石(らうせき)の
歯(は)を尖(とが)らせ。握拳(にきりこぶし)を喰(くら)はせて
小(ちいさ)き角(つの)を生(はや)したり。見る人 毎(こと)に
真偽(しんぎ)を分(わけ)兼(かぬ)る。其(その)細工(さいく)奇 也(なり)と
いふべし。夢鬼山人(むきさんじん)。真(しん)の鬼娘が