翻刻
玉子(たまご)と五徳(ことく)は丸(まる)いとおもへば。四角(しかく)に
化(ばけ)てあぶり子(こ)と成(なり)湯銭(ゆせん)は六文。髪結(かみゆい)
賃(ちん)は廿四文と。昔(むかし)から直(ね)の極(きはま)つた物(もの)が。
八文と廿八文となる銭相場(せにそうば)。鳶(とび)飛(とん)で。
折介(おりすけ)天(てん)に上(のぼ)り。雨(あま)龍(りやう)下(くた)つて南鐐(なんりやう)の
名馬(めいは)と成(なる)。実(けに)や現在(けんさい)の工面(くめん)に詰(つま)り
て。因果(いんぐは)地蔵(ぢぞう)に日参し。夢は(ゆめ)逆(さかさ)な
願(ねがい)がら。富?礼?の見得(けんとく)を祈(いの)り。神(かみ)の御前(みまへ)
の鳥居を書(かい)て。小便を防(ふせ)ぎ。仏具(ぶつぐ)に
団十郎が替紋(かへもん)は。観音(くはんをん)を引 上(あげ)網(あみ)かと
見 違(ちが)ふ。此時(このとき)に当(あた)つて。吉野の桜(さくら)も
はなつぱりの事(こと)とおもひ。高尾(たかを)の
紅葉(もみぢ)も鹿(しか)の吸物(すいもの)。牡丹(ぼたん)花(くわ)の詠料(ゑいれう)も。