翻刻
【右丁】
【印 ○に合】
《割書:関川(せきかわ)| 名物(めいぶつ)》《割書: 全部三冊|《題:《振り仮名:八ッ目鱣因縁物語|やつめうなぎいんえんものがたり》》| 泉市発行》《割書:山東京山作|勝川春亭画》
文化
七年
午春
新版
小雁斜侵
眉柳去
媚霞横
楼眼波来
京山
【左丁】
【赤印 帝國圖書館】 【赤印 圖 明治三二・五・一九・購求】
【上段】
京山
〽あいかわらず
御作が
できます
そうでござります
はやくはいけん
いたしたい
〽いやもふ
つまらぬ事ばかり
かいておきました
おはづかしう
ござります
【右の人の着物 京山 東山の模様】
【左の人の着物 ミヤウ】
【下段】
[京山]これは〳〵伝笑さんよくお出なさり
ましたサア〳〵こちらへ〳〵[伝せう]《割書:つくえのわきにすはり|たばこきらひなれば》
《割書:あふぎをばち〳〵|いはせながら》せんせい此あいだはあれからどちらへぞ
おいでなさりましたか[京山]亥(い)の日だから聖天(せうでん)へ
まゐるつもりで道ではからずほうゆうにあひ
まして夕ぐれになりきやうにじやうじて花柳(くはりう)
の街(ちまた)へまゐり思はぬほとゝとぎすをきゝました
[伝]それはおたのしみでござりましたらう
時にお作はちとかた付ましたかね[京]イヤモウ 何も
かもふるくなつて趣向(しゆかう)にもこまりますのさほんに
それ〳〵《割書:トといひながら竹ざいくのしよだなから|くさぞうしのたねほんをとりおろし》此あいだ
てんま丁の大わだでおはかれ■【申ヵ】てうなぎから思ひついた
三さつ物おまへもおなじみのせん市へやるつもりでゆふべ
までにかきあげておきました四人のたちやくが
かたきやくにころされて八ッ目うなぎにげんぢやく
するといふすぢさどうだらう見ておくんなせへ
[伝]八ッ目うなぎはまだだれもつかひませぬ三さつ
ものにはおしいしゆかうでござりますどれはいけんと
ひらき見ればさのごとし
【[ ]は話者の名を矩形で囲むを表わす】