翻刻
私共鉄炮洲居申内紀州様ゟ御送被成候趣咄承申候兎角
青ケ島へ渡海難成事ハ百余人のたゝりのよし咄承申候
一八丈島男女辞つかひ大成ル事をぶしけいといふ小なる事をねつ
こひといふまゝにする事をさんまいといふ知らぬ事をしやうく
なゐといふ来ル事をにやといふ
一女の髪ハしまたに結びんも出し不申候わけの上を白紙を折
くゝり手拭を/ちゝ(本ノマヽ)巻に仕居申候油ハかたしを揉くたきそれを
付申候壱ケ月に二度程髪をゆひ申候
一男女の応答おつと申是ハあかめ申度に御座候
一八丈嶋にて惣人数へ被遣候飯米左之通
白米八斗七升五合搗麦弐石八斗九升粟三石弐斗八升五合
一十三年の内月日の事ハいかゝと御尋御座候処ハ三日月を見合大
旨相考相極り申候大小の月ハ大てい六大六小と立相分申候さて
閏月ハ三十三ケ月をくわと相立申候其後大坂舟薩摩舟参候
詮儀致候処少々ハ違申候得共大旨ハ違不申候
一汐の満干御国許の通格別の違なきやうに被存候
一年中給候鳥惣体白く羽先キ上黒此鳥子のうちはねつみ
色の頭より口觜絵図のことくなり
おのれ物かく事の殊に拙きかうへに筆のゆくまゝに
みゝつかきにものして今見るにおのれこそ大方にハ
よみうめれと若他人の見たらんにハ何事ともえ
しらるましけれハせめてハとかたはらにかき入れたり