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コレクション: コレクション2

BnF. Département des manuscrits. Japonais 5602 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 5602 - ページ 13

ページ: 13

翻刻

諸卿(しよきやう)僅(わづか)十四才の正行(まさつら)に説伏(ときふせ)られ。各(おの〳〵)面(おもて)を見合(みあはせ)一言(いちこん)半句(はんく)もなく。赤面(せきめん)閉口(へいかう)して さし兎(うつ)【俛】首(むき)給ふ。法性寺(ほふしやうじ)佐兵衛督(さひやうゑのかみ)殿(どの)膝(ひざ)を拍(うつ)て感嘆(かんたん)し給ひ。誠(まこと)に楠子(なんし)の子(し) 息(そく)とて。年齢(ねんれい)にも似(に)ず。理非(りひ)明らかなる異見(いけん)にて愧(はづ)かしく候。如何(いか)にや■■ 幼若(ようじやく)の正行すら一心(いつしん)動(どう)ぜず。義(ぎ)に勇(いさ)める㕝 斯(かく)の如(こと)し。誰(たれ)か是(これ)に愧(はぢ)ざらん 只(ただ)命(いのち)を塵芥(ちんがい)に比(ひ)し。朝敵(てうてき)誅伐(ちうばつ)の謀(はかりこと)を廻(めぐ)らし給へと励(はげ)まし給ひしかば。諸卿(しよきやう) 大いに色(いろ)を直(なお)し。実(けに)我(われ)ながら愧(はづか)しく候。かかる若大将(わかたいしやう)在(ある)上(うへ)は。聖運(せいうん)を開(ひら)かせ 給はん㕝 何(なに)の疑(うたがひ)か候べき。早(はや)く大嘗会(たいしやうゑ)を行ひ。而(しかふ)して後(のち)朝敵(てうてき)誅伐(ちうばつ)の軍(ぐん) 議(き)有(あれ)かしと一斉(いつせい)に勇(いさ)み立(たち)給ふにぞ。正行公(まさつらきみ)大きに欣悦(きんゑつ)し給ひ。其日(そのひ)は終日(しうじつ)御(ご) 商議(しやうき)に日(ひ)を暮(くら)し給ひける       新帝(しんてい)御即位條(こそくゐのくたり)《割書:并》八尾恩地(やをおんじ)等(ら)病死(びやうし)之㕝 楠右中将正行公(くすのきうしやうまさつらこう)一言(いちごん)を発(はつ)して諸卿(しよきやう)を挫(とりひしき)給ひしかは。各(おの〳〵)大きに慙愧(さんぎ)後悔(かうくわい)し 隠遁(いんとん)の心を転(てん)し。義良親王(のりよししんわう)を御位(みくらい)に即(つけ)。大嘗会(たいしやうゑ)を行(おこな)ひ。南朝(なんてう)二伐の君(きみ)と