翻刻
【右丁】ゝ
わきて是はたそやあらうつゝなやた
れにておはするそやけみやうはけ物か
いかゝととりつきたそや【誰そや】〳〵としきり
にとかむれはみやはうちはらひ給ひて
なとやいたくあやしめ給ふそや侍に
心つよくおはしませはうらめしくて
かくたはかり参りたりいまはこうくわい
なしとてはらわせ給へはめのといまた
たれともきゝしりまいらせしいすた
とひたれにてもおはしませいまたな
【左丁】
らわせたまわてさわかせ給ひ候へは
こよひはゆるさせ給ひてとく〳〵かへ
らせ給へと申せは宮はつれなけにてこの
ほとの心まとひ【心惑い】にみちもおほえす
いかにかへるへきとてきぬひきかけて
うちふし給へはこんの少将ちからおよ
はすかくて候はんもひんなきとてつ
きのまへ出にけり扨もこよひのつ
ま戸をはいつれの人のかけさりけるそ
あらゆいかひなや【言甲斐無や】なんとゝいひけれはおかし