翻刻
【右丁】
此疾をおそれさるはなく其内軽きは薬に
及はす重きは薬も及されは人の
父母たるもの小児のために疱瘡に
心をなやまさゝるはなし療法(りやうし)養(やし)
生(なひ)独(ひとり)り【衍】医家(いしや)而已 知(し)るにあらす医(ゐ)
療を乞ふて助くといへとも又看病(かんひやう)
養育(てあて)による事 他(ほか)の病と別(わかち)ある
【左丁】
へしさるによつて《割書:予》輯(かきあつめ)おき聊(いさゝか)
経験(こゝろみ)したるなと一冊となしおき
たれは或日書林来りて頻(しきり)に
刊(はん)に行(おこなは)ん事を乞ふ需(もとめ)に応して
則 痘瘡養育(とうそうやういく)と題号(だいがう)して此を
おくりぬ唯 世俗童蒙(しろうと)の一助(たすけ)とも
なるへき歟 預(つねに)参考(みおき)して会得(こゝろへ)すへし