Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション2

. Japonais 648 - 翻刻

. Japonais 648 - ページ 31

ページ: 31

翻刻

かず勇威(ゆうい)盛(さか)んに戦(たゝか)ひしが終(つい)に味(み)方 敗軍(はいぐん)に及(をよ)びければ今は戦ひてもよし なしあはれ信長に近付寄(ちかづきより)さしちがへて死(し)せんものをと乱髪(みだれがみ)を面(をもて)にばらり とかけ首(くび)ひとつ提(ひつさげ)て織田勢(おたぜい)にまぎれ込(こみ)よき首取て候程に大将の実検(じつけん) に入奉らん御大将は何方(いづかた)におわしますと呼(よばゝ)り〳〵なんなく旗(はた)本迄 来(きたり) けるを信長公 床机(せうぎ)に腰(こし)かけ悠(ゆう)〻(〳〵)としておわしける遠藤(ゑんどう)はるかに見(み) て嬉(うれ)しき事に思ひ一 参(さん)に馳(はせ)きたる大将の御 側(そば)に有ける竹中久 作(さく)と いふ者(もの)是を見てつつと走(はし)り出遠藤喜右衛門大将の御前(ごぜん)なるぞ推(すい) 参(さん)也と声(こへ)かくれば遠藤(ゑんどう)見 顕(あらは)されし残念(ざんねん)也と持(もつ)たる首(くび)を信長にはつし と投(なげ)付竹中と引組(ひつくん)だり双方(さうほう)聞(きこ)ゆる勇者(ゆうしや)なれば上に成り下に成 組合(くみあひ) しが遠藤(ゑんどう)勇(ゆう)也といへども年 既(すで)に六十に余(あま)り其上 今朝(けさ)より数(す)ヶ度(ど) の戦(たゝか)ひに労(つか)れぬれば血気(けつき)壮(さか)んの竹中に敵する事 能(あた)はず久作 終(つい)に遠藤