Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション2

. Japonais 648 - 翻刻

. Japonais 648 - ページ 38

ページ: 38

翻刻

いかんぞや城(しろ)を開(ひら)きおめ〳〵と落(おち)行べき汝等(なんぢら)仮初(かりそめ)なる勝利(しやうり)にほこり 猥(みだ)りに大言(たいげん)を吐(はく)こそおかしけれみよ〳〵長政 英気(えいき)を養(やしな)ひ信長に泡(あは) 吹(ふか)せんに其時(そのとき)汝等(なんぢら)我々にたより降参(かうさん)をねがふべしよろしく執成(とりなし)得(え)さす べしと傍若無人(ぼうじやくぶじん)に 罵(のゝし)りける木下が従兵(しうへい)大に怒(いか)り憎(にく)き敵(てき)の悪言(あくげん)かな 一 踏(ふみ)に蹴(け)ちらせよと一同(いちどう)にどつと駈けよるを木下 制(せい)し大に笑(わら)ひ申しけるは 我(われ)汝等(なんぢら)を忠勇(ちうゆう)の者(もの)也と思ひ信長公の仁心(じんしん)をおしひろめ退城(たいじやう)せば助(たす)け くれんと思(おもひ)ひしに日本 無双(ぶさう)の臆病(おくびやう)者にて有けるよな今城を開(ひら)き退参(たいさん) せば城外(じやうぐはい)にて害(がい)せらるべしと思ふなるべし誠(まこと)勇(ゆう)ある丈夫(ぢやうぶ)なりせば詮(せん) なき城を守(まも)らんより開城(かいじやう)して主人(しゆじん)を助(たす)け若(もし)敵(てき)に害心(がいしん)あらば蹴散(けちら)し て捨(すて)んに何のかたき事あらんやわづかなる小城(こじろ)を守(まも)り味(み)方の後詰(ごづめ)を たのみとし網(あみ)にかゝりし魚(うを)のごとくに居(い)ながら死(し)を待(まつ)不覚者(ふかくもの)には言葉(ことば)