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業の発展を図る必要があると思ふ。次に工場労働者の福利増進に対する施設である。職工
をして工場主と利害の観念を同うせしめ、且つ共同の精神を発揮せしめ、基礎を確立する
にはどうしても之が適切なる施設を要するのは勿論である。
更らに農業方面であるが、現在の農家は八百七十戸に過ぎないのであるから、至つて微
々たるものだが、近来果樹蔬菜の栽培など園芸に属する方面は次第に発達の状況を示し、
尚其の外に養鶏業の発達は眼覚しいものである。農産の主なるものとしては繭、甘藷、メ
ロン、柑橘などを数へなければなるまい、耕地は田四百三十六町歩、畑四百五十二町歩と
なつてゐる。之が機関としては市農会を最高なるものにして養蚕同業組合、養鶏組合、農
業に関する産業組合位なものである。
然らば現今商業方面に於ける機関はどうであるかと云ふに、商工会議所、米穀取引所、
魚市場、青物市場、小売市場、繭取引所等が設立され、何れも目覚ましい活動を続けて居
る、市内に本店を有する諸会社の数は本年六月末の調査によると株式会社六十二、合名会
社二十五、合資会社七十二であつて、支店を有するもの株式会社十五、合名会社三、合資
会社二、合計二十である。而して市内に本店を有する会社の活動を事業別にすると鉱業一
金三万円、工業四十四金五百八十六万七千五百円、商業九十三金六百六十六万五百円、運
輸及倉庫業十五金千四百九十二万七千円其の他六金百六十万八千円で此の総資本額二千八
百九万三千円である。
是等の会社は我が豊橋の産業界の為めに直接間接多大の利益を齎らしてゐる事は云ふま
でもないけれど前述の状況から観察する時は、未だ豊橋に置ける資本の活動の甚だ微弱な
るを感ずると共に、吾人は将来我が事業界産業界の為めに大いに研究を費さなければなる
まいと思ふ。
産業界現下の状勢は大要以上の如くで、尚之に直接重要な関係を有する金融界の状況
は、三州貯蓄銀行と三河銀行の本店銀行があるが何れも萌芽時代で、大野銀行、愛知銀行
、明治銀行、名古屋銀行、日本貯蓄銀行、愛知県農工銀行、額田銀行、第一銀行の各支店
銀行により支配をされて居る。尚此の外信用組合、産業組合、金銭貸付業等、数種の機関
があつて第三階級に属する商工業者及び労動者の為めに便益を与へてゐるけれども、茲に
之を省略する事にした。因に市内の各種労働賃金は他の都市と比較して見ると余り高い方
ではない。
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