翻刻
【右丁】
半夏(はんけ)
ほそくみ
《割書:本草和名》
摂州(せつしう)粒半夏(つふはんけ)名産(めいさん)なり
諸国(しよこく)野生(やせい)多(おほ)し春月(はる)宿根(ふるね)
より生(せう)し一根二三 茎(けい)を生(せう)し一
茎(けい)三 葉(やう)中の葉(は)大にして左右
小なり蘇頌(そせう)の説(せつ)に《振り仮名:似_二芍薬|しやくやくやうに》
《振り仮名:葉_一|にたり》と云 是(これ)なり夏一茎を抽(ぬきん)
して梢(こすへ)に弁(へん)あり稍(やゝ)南星(なんせう)花
に似て狭(せはく)小く一鬚(ひとつのひけ)あり花(はな)の∴
∴本(もと)に実(み)を生(せう)す
皆(みな)緑色(みとりいろ)なり又
葉中(やうちう)と茎(くき)に実(み)
を生す
#1
かたぼそ《割書:延喜|式》
からすひしやく《割書:京》
へぼそ《割書:武|州》
【左丁】
一種
竹葉之物(ちくやうのもの)
#2
葉(は)狭(せは)く長(なか)くして竹(たけ)の葉(は)の
如(こと)く花(はな)緑色(みとりいろ)の物(もの)あり蘇(そ)
頌(せう)の説(せつ)に《振り仮名:似_二竹葉_一|ちくやうににたり》といふ
是(これ)なり以上(いしやう)皆(みな)根(ね)小指頭(こゆひ)
の大さにして白色 味(あしはひ)薟(ゑこ)し
蘇恭説(そせうせつ)の羊眼半夏(やうかんはんけ)なり