翻刻
【右丁】
酔魚草(すいぎよさう)
ふじうつぎ
【左丁】
深山(みやま)に生(せう)す小木(せうぼく)なり高(たか)さ五六尺 枝幹(えたみき)黄色(きいろ)にて稜(かど)あり葉(は)は金盞(きんさん)《割書:きんせ|んくわ》に似(に)て長(なか)く対生(たいせい)す
夏月(なつ)稍(やゝ)二尺 許(はかり)穂(ほ)になり四弁(よへら)淡紅花(うすあかきはな)連開(れんかい)す一花の形(かたち)四弁(よべら)芫花(げんくわ)に似(に)たり後(のち)実(み)を結(むす)ふ形(かたち)大麦(おほむぎ)の如(こと)し
莽草(もうさう) しきみ《割書:和名|鈔》 はなのき《割書:因|幡》 かうしば《割書:遠|州》
草(くさ)の名(な)はあれども大木(たいぼく)となり豆州(つしう)八丈嶋(はちじやうしま)に多(おほ)し葉(は)は冬青(とうせい)《割書:もち|のき》に似(に)て頗(すこぶる)軟(やはらか)なり冬(ふゆ)凋(しぼま)す
四月 花(はな)あり七八 弁(べん)にて淡黄白色(うすきいろ)形(かたち)蝋梅(ろうばい)に似(に)たり後(のち)実(み)を結(むす)ふ七八 角(かく)ありて形(かたち)大茴香(だいういけう)に
似(に)たり故(ゆえ)に八 角茴香(かくういけう)に偽(いつは)る此実(このみ)毒(とく)あり用(もち)ゆべからず
菌芋(いんう) みやましきみ みやまたちばな
暖国(だんこく)の山中(さんちう)に生(せう)す葉(は)は冬青(とうせい)《割書:もち|のき》に似(に)て早春(はる)穂(ほ)をなして花(はな)あり五弁(いつべら)白色 橘花(かうぢ)に似(に)て小(せう)
【版心の中央】酔魚草