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コレクション: STAGE9

永代惨話 文化の夢 全 - 翻刻

永代惨話 文化の夢 全 - ページ 3

ページ: 3

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受(うけ)て之(これ)を閲(けみ)するに。書中(しよちう)の事実(じじつ)。或(あるひ)は奇異(きゐ)怪妖(くわいえう)。殆(ほと)んと信(しん) ずべからざるが如(ごと)きもの間(まゝ)少(すく)なからずと雖(いへど)も。亦(また)後世(こうせい)。 世人(よのひと)の記得(きとく)して以(もつ)て慎(つゝし)み。且(か)つ誡(いまし)む可(べ)きの一端(いつたん)ともな るの談(だん)。甚(はなは)だ多(おほ)きを覚(おほ)ふれば。輙(すなは)ち君(きみ)が請(もと)めに応(おう)じ一書(いつしよ) に纂輯(さんしふ)せん事(こと)を約(やく)す。後(のち)数日(すじつ)編(へん)成(な)るに及(をよ)び。君(きみ)又(また)之(こ)れが 書名(しよめい)を求(もと)む。因(よつ)て文化(ぶんくわ)の夢(ゆめ)と題(だい)し尚(なほ)冠(かむら)するに永代惨話(ゑいたいさんわ) の四字(よじ)を以(もつ)てす。于時明治十六癸未季夏武州南豊島郡 雑司ヶ谷寓窓ノ下     菊亭香水識                菊亭【印】 香水之章【印】 名所記【二重線】に曰(いふ)。富賀岡(とみがをか)八幡宮(はちまんぐう)は江戸城(えどじやう)の南(みなみ)。深川(ふかがは)にあり。祭(まつ)る所(ところ) 鶴(つる)ヶ岡(をか)に同(おな)じといふ。別当(べつたう)大栄山(だいゑいさん)永代寺(ゑいたいじ)(《割書:台|宗》)深川(ふかがは)第(だい)一の大社(たいしや) なり。或(あるひ)はいふ神体(しんたい)は菅公(くわんこう)の作(さく)なり。源(げん)三位(さんゐ)頼政(よりまさ)深(ふか)く之(これ)を崇(たふと) む。其(その)後(のち)千葉家(ちばけ)に移(うつ)り。足利(あしかゞ)尊氏(たかうじ)に伝(つた)へ。基氏(もとうじ)持氏(もちうじ)に至(いた)り。後(のち)上(うへ) 杉(すぎ)家(け)に伝(つた)へて。太田道灌(おほただっくわん)ふかくこれを信仰(しんこう)す云々。 砿石集【二重線】に曰(いふ)。寛永(くわんゑい)元年。長感法師(ちやうかんほふし)。霊夢(れいむ)のことありて。永代島(えいだいじま)に 宮居(みやゐ)を建立(こんりう)し。同八年|成就(じやうじゆ)す云々 歳時記【二重線】に曰(いふ)。深川(ふかがは)の土人(どじん)本居(うぶすな)とす。祭礼(さいれい)八月十五日。放生会(はうじやうゑ)あ り二三十年に一度(いちど)本祭(ホンマツリ)を行(をこな)ふ云々。  明治癸未夏日          菊亭主人識