みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

塩原繁昌記 全 - 翻刻

塩原繁昌記 全 - ページ 17

ページ: 17

翻刻

害(がい)せらる云々(しか〱)此(この)一事(いちじ)は小史(さうし)に綴(つゞ)り劇場(しはゐ)に 演(えん)して普(あまね)く人(ひと)の知(し)る処(ところ)なり或(あるひ)は云(い)ふ害(がい)に 遇(あ)ふの事(こと)後人(のちのひと)の浮説(ふせつ)に出(い)てゝ|必(かならす)しも実(じつ)な らす一説(いっせつ)に高尾(たかを)|性質(うまれつき)|閑雅(かんが)|窈窕(やうちやう)|早(はや)く妓籍(きせき)を 脱(だつ)し黒髪(くろかみ)を薙(なぎ)て仏(ほとけ)に帰依(きえ)し小庵(こあん)を結(むす)ひて 独(ひとり)風月(ふうげつ)を楽(たのし)む臨終(りんじう)の日(ひ)紫雲(しうん)|室(しつ)に入(い)り諸仏(しよぶつ) 来(きた)り迎(むか)ふ日本堤(にほんつゝみ)の辺(ほとり)|道哲庵(どうてつあん)|境内(けいなへ)に今(いま)|高尾(たかを) の墓(はか)あり墓(はか)を環(めく)りて紅楓樹(もみじ)を植(う)ゆ蓋(けた)し其(その) 名(な)に象(かたと)る云々(しか〱)前後(ぜんご)の二事(にじ)何(いつ)れか是(ぜ)なるを 知(し)らすと雖(いへ)とも高尾(たかを)出所(しつしよ)の家今(いへいま)|猶(なほ)|塩竈(しほかま)に 在(あり)て高尾(たかを)の遺書(ゐしよ)を存(そん)すれば此地(このち)の産(さん)なる ことは疑(うたかひ)を容(いれ)す斯(かヽ)る山中(さんちゆう)より天下(てんか)に名(な)を 轟(とゝろ)かしたる絶世(ぜつせい)の美人(びじん)を出(いた)せるは亦奇(またき)と 云(い)ふも餘(あま)りあり予思(よおも)はす俳句(はいく)を口(くち)走(ばし)りて 「つく〳〵と 若葉見て居る 人は誰」後(うしろ)に人(ひと)あり 大笑(おほわらひ)して嗚呼(あゝ)物好(ものすき)なるかな