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コレクション: STAGE2

土佐古今ノ地震 - 翻刻

土佐古今ノ地震 - ページ 47

ページ: 47

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   ゆる火竜とて火光の閃く様さへありて物凄さ有様いはん斗なりしが幸に四十分許に    して西風となり漸次風力を減じ漸く平常に復せり (チ)平田村は午后六時半頃西北風の大暴風雨にて八時に至り全く収まりしに戸数三百十    五戸の中完全なるは僅かに十戸位にすぎず (リ)宿毛村にては午后五時頃より北西の暴風吹き次第に西又西南に廻り遂に七時過にて    全くなぎとなれり一時はいと物凄く雷鳴さへ加はりたるが後にて調べ見れば差した    る障害もなかりき (ヌ)東中筋村字森澤は中村町をさること僅かに二十余丁なるがこゝより以西中筋、小奈    和田、三原、平田、小筑紫、奥内より宿毛に至るまで一帯の各村は案外無事にして    蒙も今回の暴風雨のありしを知らざるものゝ如く殊に東中筋村は具同村と相接せる    村方なるに具同は非常の損害を被ふりしに東中筋の些も損害なきは一奇といふべし 以上一市七郡に亘る風害景況の記録は主として実地見聞の事実より県庁の広報、新聞紙の 記載を参考して其現著なるものを提記せるに過ぎざれば実際上被害の詳況は更にこれに幾 十倍せるの惨状を極めたるは読者の正に推知せられて知ある所なるべし     (庚)損害の統計 明治三十二年八月二十八日の大暴風に就て高知県下に於ける主要都会の損害は略ぼ前に記 したり其外一町一村一部落に於ける損害も夫々所轄役場に於てこれが調査を終りたりとい はるゝも今此処に其一切の調査材料を臚列するは余りに冗長に失するの嫌あるを以て茲に は高知県庁にて取調べたる全県下を通じて計算せる損害全額の統計数字のみを記載すべし  一死者         九十人  一負傷者        一百七十二人  一死牛馬        二十頭  一全倒の家屋及其他建物 一万一千九百七十一棟  一半倒の家屋及其他建物 二万三千四百十八棟  一大破の家屋及其他建物 二万四千八百九十六棟  一流失及破損船舶    六百八十七艘   一流失橋梁       十九ケ所  一破壊の堤防      三十三ケ所五百三十七間  一破壊の道路      二百二十八ケ所一千三百四十五間 但此外商品家財に属する損害は其高極めて夥多なりといふも実際上これが調査材料うぃ欠ぐ を以て其統計は今之を除くといふ 次に右の死者四十人の中其死状を区別しこれが統計を示せば左の如し