翻刻
あとは得いはずくひしばり 《ルビ:筋骨|すぢほね》 の 《ルビ:違 |ちかふ》たをりやじするとき
あらわれいでたる 家のたをれた《ルビ:窓| まと》 より 《ルビ:逃 |のかれ》て出る人
ぬきあしさし足うかゝひよる よなべの 《ルビ:仕事|しこと》 で地震のゆるのを
ハツト玉ぎる女のなきごへ おなじくかんじんの所
聞ゆる物音こゝろへたり どう〳〵と地震の 《ルビ:音 |おと》のするとき
《ルビ:唯 |たゞ》ぼうぜんたる 丸 《ルビ:裸| はだか》でよう〳〵のがれた人
気は 《ルビ:張弓|はりゆみ》 心は 《ルビ:矢|や》 たけ 足よはの人子をつれて 《ルビ:藪|やふ》 中へにげ込人
《ルビ:互 |たかい》の身の仕合 御客にも 《ルビ:我怪|けが》 のない宿屋