翻刻
十七日朝快天小ゆれあり午の中刻雷鳴御甲山手かたより
夥しき雲立して東方へ流る夜に入稀なる快晴地震後
日々晴雨のあらましを二日頃といへとも是迄空合すへて空
近く晴たにかゝわらす空あしく終日終夜暫時に変動あり
此国例年弥生半迄季候定らす卯月をもて他邨の春
となすされは一とせの内此月をもて季候一定也空第一と
するなから此大変に季候を奪はる
十八日快晴空高く此頃になき空色也きのふの雷後
難波山下差わたし壱寸ほとの大霰ふる善光寺大雨後
霰壱寸計りふるよしけふハ空色もよし日中ゆり少しも
なく衆人ちと安し寅の刻過る計りまた中ゆれあり
十九日快晴夜南風すこしふく
廿日快天井さらひす吹あけ砂夥しく井水いかにやと思ひの外
はや夕方半清翌日清水もとのことし近隣所々井さらひ
ありはしめ大ゆれより十日もまたず近隣井さらひするものあれ
とも地脈定らすあるひハぬけ落ちあるひハ砂石をふきつけ
みなむだ事になりぬ此の頃ハ地脈も漸く古に復するなるへし
夜戌の刻小ゆれあり
廿一日曇午後快天南気を催す暑し夜小ゆれあり此節
嶋原一揆の説あり虚実わからす