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コレクション: STAGE1

弘化丁未天變日記 - 翻刻

弘化丁未天變日記 - ページ 34

ページ: 34

翻刻

疑なしを見て死體尋んと彼焼あとへ参り心積の坐敷 を尋るに小刀の焼身一本を得たり是ハかの僕にあつけおき たる也またあたりを探るに家紋付たる縁頭焼残りあれは 疑なしとよく〳〵探れハ焦骨を得たりまた預け置ける百文銭 七枚そのまゝにありかの僕の非業を憐れむといへとも四人の若 人恙なきを悦ひ片時も面白なるへきにあらすと夕暮に善 光寺を出帰路に彼牟礼駅へかゝるにこたひハ横死の者を こゝかしこに焼立る火夥しく闇夜さなからま昼のことし そのいたましさたとへんにものなし急きにいそき翌廿八日かの おのこ先たちて帰村し恙なきよしを語れハ四人のものも 程なく参り一家こそつて蘇生の人に逢うふる事を賀す   此物語りハ潟町ゟ善光寺へ行たるおのこハ寺嶋六兵衛方へ   出入しものにてかの者登ての物語りのよし寺嶋氏ゟ事の   まゝをしるしぬ 信州八幡社家の列家へ当藩中藤林梅仙二男参り医業を始む 今度の変に同夜同刻読書していまた寝すはかりと音して家宅 ひた潰れ一歩も出る間なし何たる事を弁へす茫然たりしはらく して人音あり助けくれよと喚れハ来りて穿ち出しぬこゝに始て 地震なる事を悟りぬ此時はや寅の刻なりけり妻子不残打 砕かれて微塵になりぬその内義子一人助命す日を経て当所