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コレクション: STAGE2

愛知岐阜福井三県 大地震見聞録(内題) - 翻刻

愛知岐阜福井三県 大地震見聞録(内題) - ページ 27

ページ: 27

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に《ルビ:悲鳴|ひめい》を発して救助を請へども其声外部に《ルビ:達|たつ》せず兎角する中に勝手の方より出火して 次第に燃広がる《ルビ:模様|もやう》なるにぞ偶ま天井の透間より光線の洩るゝを《ルビ:幸|さいは》ひ其穴より手を出 して尚も救を求めしに幸ひ《ルビ:出入|でいり》の大工来合せ居りて急ぎ《ルビ:屋根|やね》に小穴を穿ち妻子を引出 したるが同氏は《ルビ:元来肥大|ぐわんらいひだい》の質にて其穴より脱出し能はざるより遂に《ルビ:裸体|らたい》となりて漸く 《ルビ:外部|ぐわいぶ》に《ルビ:逃出|のがれい》で危き命を拾ひたるよし ●勝幡村の震災  聞くも気の毒なるは廿八日大地震の《ルビ:際|さい》海西郡勝幡村の西蓮寺にて は朝説教をなし参聴者五十余人《ルビ:本堂|ほんだう》に集り清聴なしをりしに《ルビ:俄然震動|がぜんしんどう》と共本堂転倒 せし為め《ルビ:無惨|むざん》や五十余人の男女と住僧は之に《ルビ:圧|あつ》せられて其儘往生したりと  編者附て云う西蓮寺危難の《ルビ:物語|ものがたり》りは信偽未だ《ルビ:詳|つまび》らかならず或は云う同寺は《ルビ:顚倒|てんたう》せし  には《ルビ:相違|さうゐ》なきも圧死者は僅かに四五名に過ぎずと暫く《ルビ:記|しる》して疑ひを存ず      ◎岐阜県下の震災 《ルビ:今回|こんくわい》の大地震は岐阜県下を以て劇震部とす《ルビ:殊|こと》に大野、本巣の南部に《ルビ:渉|わた》れる根尾谷に於 て直径一里の大陥落を《ルビ:生|せう》ぜし如きは著大なる《ルビ:震害|しんがい》にして普通人は此処を以て《ルビ:地震|ぢしん》の中 心なりと《ルビ:誤|あやま》りしも無理ならず去れば 天皇 皇后両陛下には《ルビ:本県|ほんけん》の震災を聞食さる〻 や《ルビ:否|いな》や《ルビ:畏|かしこ》くも御手許より愛知県と《ルビ:同様|どうやう》に金一万三千円を下賜さられて罹災人民《ルビ:救恤|きうじゆつ》の 資に充てさせ《ルビ:給|たま》ひ侍従北條氏恭氏を差遣はし《ルビ:親|した》しく震災地を巡見せしめられ又 皇后 陛下よりは《ルビ:特|こと》に赤十字社医員及び《ルビ:看病婦|かんびやうふ》を差遣はされぬ 両陛下御思召の《ルビ:優握|ゆうあく》なるは 今に《ルビ:始|はじ》めぬ事ながら今回御救恤の行届かせられたるが如きは誰か《ルビ:感泣|かんきふ》せざる者あるべ き《ルビ:今|いま》同県全市郡の《ルビ:罹災統計|りさいとうけい》を挙ぐれば左の如し    岐阜県下地震被害一覧表 (十一月十一日調)  市郡名    総戸数   家屋全潰   同半潰    総人口      死亡   負傷    火災戸数           戸      戸      戸       人     人     人      戸   岐阜市  五、八五二  一、〇八〇  二、九一六  二五、六七六   二五三   七八七  二、二二五   厚見郡  七、八三五  五、〇五八  一、三四九  四一、九五五   六四六 一、〇〇〇     三五  各務郡  四、二一五  一、三一一    六七三  二〇、〇三七    六七   一八七      一  方県郡  五、七七九  二、六六〇  一、八四一  二八、七一九   二九七   六七三      三  中島郡  四、六一五  三、五五八    三〇四  二二、六六六   三五六   五八六    五七〇  羽栗郡  六、三一一  四、二六五  一、〇六七  三二、四〇二   五一一   四六六    九四六  下石津郡 三、〇七五    五三六    一八七  一四、一二五    二九    四七      -