翻刻
大津波末代噺種
志州 鳥羽(とば)
の湊(みなと)大 津浪(つなみ)にて
御家中町家とも惣
くづれ又みなと川口に
かかり有之大舩小ふね
陸(くが)へ打上あるひは海中へ
捲(まき)込み死人何千とも
相わからず目も
当られぬ次第也
○淡州(だんしゅう)福良(ふくら)は惣家数三百余軒の処大つなみ
にてのこらず流れ此嶋跡かたもなく相成申候
○勢州山田松坂津白子四日市 桑名(くわな)すべて
浜辺の人家は大体 鳥羽(とば)におなじ
○摂州尼ヶ崎つなみ門川水壱丈余り増す舩
人家の損じ 夥(おびたゝ)しく死人百余人あり