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コレクション: STAGE1

箱根七湯 温泉圖會 全 - 翻刻

箱根七湯 温泉圖會 全 - ページ 14

ページ: 14

翻刻

春(はる)の曙(あけぼの)。夏(なつ)の晝(ひる)。秋(あき)の夕暮(ゆふぐれ)。冬(ふゆ)の夜(よ)と。諸君(しょくん)|保養(ほやう)のそが 中(なか)に。奈良屋(ならや)兵次(ひやうじ)が三日月の瀧(いたき)は。柳(やなぎ)の糸(いと)の千(ち)すぢを □に旅。間毎(まごと)に吹入(ふきいる)|涼風(すずかぜ)は。心(こゝろ)の塵(ちり)だにも拂ふ。福住九蔵(ふくずみくぞう)が 楼上(ろうしやう)に有て音曲(おんぎよく)の宴(えん)。時(とき)をきらはずして宝(たから)をちらし。黄金(こがね) の花(はな)。銀(しろかね)の雪(ゆき)尚(なほ)添(そへ)て。奇(き)とやいはん妙(めう)とやいはん。塔(たふ)の澤(さは)の 元湯(もとゆ)|湯女(ゆな)の返事(へんじ)と共(とも)に引(ひき)ずる。裾川(すそかは)の河鹿(かしか)声(こゑ)もやさしく。 囲(かこひ)の物(もの)好(ずき)おどろくに物(もの)なく。庭(にハ)の風(ふう)流(りう)筆(ふで)又(また)及(およ)ばん。堂(だう)が島(しま)に 行(ゆき)てハ帰?(き)庭(てい)をわすれ。底倉(そこくら)の酒盛(さかもり)底(そこ)をぬらし。木賀(きが)の土橋(どばし) に山水(さんすい)を覗(のぞ)む。芦の湯の清きには。目に諸(もろ〳〵)の病(やまひ)を治(ぢ)し。口(くち)に諸(もろ〳〵)の 嘉肴(かかう)を味(あぢは)ひ。瘡毒(さうどく)を拂(はらひ)。疾氣(しつけ)を去(さる)。一廻(ひとまは)りをも二廻(ふたまは)り程(ほど)。命(いのち)を 延(のば)す出湯(いでゆ)の効能(こうのう)。アゝ草津も遠(とほ)く及(およ)ばざらんや    湯本之部(ゆもとのぶ)      小田原ゟ一里半五丁     温泉(おんせん)功能(こうのう) 一|脚氣(かつけ) 一すぢけ一|骨痛(ほねいたみ) 一|痔疾(ぢしつ) 一|瘡毒(そうどく) 一たむし一水むし一なまづ一|疝氣(せんき) 一|腰痛(こしいたみ) 一しびれ一|切疵(きりきず) 一|灸崩(きうくづれ) 一|中風(ちうぶ) 一|打身(うちみ)  一|冷症(ひえしやう) 一くぢき  一湯|宿(やど)|福住九蔵が家(いへ)の上框?の額(がく)は宗一が筆(ふで)にて正面(しやうめん)にかけたり   其|写(うつし)|記(しる)す  此外|所蔵(しよぞう)の古画(こぐわ)|古器(こき)あまた有よし 【ここより図内の文字】   湯   泉   亭 春あきの住か    なりけれ     あつからす ひやゝかなる事    いつる湯のをとは □事蕃?宗弌 印:宗弌 印:三昧 【図ここまで、このさき図の下】 一《割書:湯宿| 》福住九蔵 一《割書:同| 》小川万右衛門 但 福住小川の両家(りやうけ)の外は小宿と唱(となへ)|療治(りやうぢ)皆々(みな〳〵)   惣湯といふに浴するなり福住小川の二家(け)を   内湯あり且此辺小田原へ近(ちか)く別(べつし)る便(べん)利   自由自在(じゆうじざい)種々(しゆ〴〵)風雅(ふうが)のたのしみあり