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慶長(けいちやう)十一年十二月八日永楽も鐚も同様に差別(しやべつ)なく
一文の通用たるへしと命(めい)ぜられけるとかや今に至て
永楽の楽の字を略(りやく)してたゞ永とのみ称し辺境(へんきやう)
に永納の租税(ねんぐ)ある事はこの遺風(いふう)といへり
《箱:十二》 足銭(そせん)省銭(せいせん)の事
足銭とは長百(ちやうひやく)の銭をいふ省銭とは百文に不満(みたず)と
いへとも百文の代に用ゆ今の九十六文を百とするが
へとし唐(とう)の食貨志(しよくくわし)に昭宗(せうそう)の末(すへ)京師銭八百五十
を貫とし百ごとに纔(わず)かに八十五/河南府(かなんふ)は八十六を以て
百とすと也又七十七文を百とする事/帰田録(きでんろく)と見に
たり又八十を百とし或は七十或は九十を百とし遂(つい)に
三十五文を百とする事/通鑑綱目(つかんかうもく)梁武紀(りやうふのき)にあり
《箱:十三》 四文銭乃事
銭一文を二文の代に用ゆるを折二(せつじ)といふ五文十文に
当(あた)るを五/当(とう)十/当(とう)といふ今の四文銭は四当といふへし
本朝/国史(こくし)に仁明(にんみやう)天皇/嘉祥(かしやう)元年九月に長年銭(ちやうねんせに)を
鋳(い)る 詔曰(みことのりに)文曰に長年大宝と一以当(あつ)に旧之十に新之と興
旧/並(ならへ)用/雑(ましへ)行といへり唐(とう)食貨志(しよくくはし)に乾元重宝(けんげんぢうほう)銭は
聞元通宝(かいけんつうほう)と参(まじ)へ用ゆ一を以て十に当/明史(みんし)と洪武(かうぶ)
通寶其/制(せい)凡五/等(とう)当十(とうじう)といひ当五当三当二と