翻刻
不交損宅友(そんたくのともにまちわらすんは) 誰八方消火事(たれかはつほふのくわしをけさん)
猶不忘野宿(なをのしゆくをわすれす) 必莫廃倹約(かならすけんやくをすつることなかれ)
故末代徳者(かるかゆへにまつたいのとくしや) 先可案地震(まつちしんをあんすへし)
是名聞之始(これめうもんのはしめ) 身終勿焼失(みおはるまてせうしつすることなかれ)
地震後教終
安政二乙卯年十月二日 大震堂書
現代語訳
損なわれた家の友人たちと交わらなければ、誰が八方の火事を消すことができようか。
野宿のことを忘れてはならない。必ず倹約を怠ってはいけない。
このような理由で、末代までの徳のある者は、まず地震について考えるべきである。
これこそが名声と評判の始まりである。生涯の終わりまで焼失することのないように。
地震後教 終わり
安政二年乙卯年十月二日 大震堂 書