翻刻
かきばおもことやめて安国と平げて納め給ひて
より以来おだやかにして益ゆたかなりことさら
天下太平に納りてハ万民|畔(クロ)をゆづりて道に捨たる
を(ヲ)ひろわず夜戸を戸ざゝずして弓ハ袋太刀ハさや
とぞ納る御代と也ぬれバ楽しかりける事限り
無きに斯々る大変を有レバ|愚知(グチ)なる人ハ地底
鯰の|違説(イセツ)を|実(マコト)と心得(ココロヱ)日の本ハ悪地也など
罵者多し国|土(ド)ヲ恨る事甚以ツておゝひ成
了簡違也地震のゆらざる所ハ万|国(ゴク)になし
信心の人々さへも此|難(ナン)に亡しハ運極れる時節
のがれがたき命成べし仏ヲ恨地ヲ悪むこと甚
勿体なき事なりゆめ〳〵恐るべきの第一也
又外国の浅ましき事をしらずして本朝ヲ
|悪(アク)地と思ふ事いわゆる正宗ヲ|鈍(ニブ)しと言又
鉛刀を利とほむるが如し明玉ヲ恨んで