翻刻
ゑんじゃくを宝と言んよりはるか増りておろか
なりたとへて申サバ年内ニ暗夜なく月夜計とて
有ぞたれが暗夜の難義ヲしらず珍膳(チンゼン)も毎
日返せば味(ウマ)からず遊びも度重れば|楽(タノシミ)ならす
善地ニ住ム人善地ヲ知ず国恩ヲ不知ともがら
悪|言(タイ)せん事余り勿体なき故本朝の有難き
事ヲ爰に略解す
如来御入仏の事
十月中旬十八日御本堂しゆふく出来して
如来御入仏なり此時のにぎわひたとへをとるに
物なし昨日の都も今日のあらし野と変
化せし町跡に只今(タヾイマ)やうやくはたごや
十軒余り出来せしと此時ふし参詣せし人
物語りけり商屋茶屋等も今にてハ小屋
懸|同前(ドヲゼン)とぞ聞へし又こくうぞう山ぬけて