翻刻
ざりしとかや其後御像百済国に渡り給へば
月蓋又聖明王と生レて御像ヲ守護し奉りしが
きん明天皇の御宇本朝江渡り給ふを守屋の大
臣難波堀江の池江埋め奉りける聖明王又日ノ本は
信州若尾実ニ生レ給ひ本田の小太郎善光尊位
即|霊夢(レイム)を受て難波堀江の池ニ至り給へば御仏ノ 【灵は霊の異体字】
蓮に乗じて出給ふをおひ奉りて諸国ヲめぐり
何国に御座ヲ居んとて六十余州に霊地(レイチ)を尋
信州水内郡に御座を居奉りてよりこの方霊
験日々に弥増り三国一の霊場なり斯も
尊き御仏(ミホトケ)なれば此地震の時は朝日山へぞ
飛出させ給ふ大威神力|巍々(ギギ)タル仏の御
本堂をはなれて出させ給ひしは何(イカ)ンと問に
のがれがたき天災の地変なる御知せならんか
猶又不消灯明も同所に飛ける事延喜
の昔菅相丞【ママ】筑紫江流され給ひし時跡
をしたひて梅花の飛しが如し猶灯明