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コレクション: STAGE8

天明奇畧 全 - 翻刻

天明奇畧 全 - ページ 22

ページ: 22

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紛者(まきれもの)のなき為(ため)にとて其村〻(そのむら〳〵)の名主役人(なぬしやくにん)より 其買人(そのかいて)の家内(かない)の人数(にんず)を糺(たゞ)し分(ぶん)に応(おゝ)じ升数(ますかず)を書(かき) 付(つけ)て切手(きつて)に認(したゝ)め夫を證拠(せうこ)として買取(かいとる)べしとの 御|下知(げし)也されは其切手を穀屋共見届(こくやどもみとゞけ)し上にて 穀物(こくもつ)を売(うり)あたへる作法(さほう)となれり夫(それ)も買人壱人分(かいていちにんぶん)に つき銭高(ぜにたか)三百匁を限(かぎ)りとすべしとの御定成(おんさためなり)しかは 金銭(きんせん)を多(おゝ)く持(もち)たりし者(もの)たり共此|節(せつ)の穀物(こくもつ)を多分(たぶん) に手取事(てどること)はならすかく有(あり)しかば買手共村役人(かいてともむらやくにん)の 切手を以て穀屋(こくや)〳〵に群集(くんじゆ)して毎日(まいにち)〳〵|市(いち)の ごとし其中(そのなか)には家内(かない)の年寄子供(としよりこども)または病人抔(びやうにんなと)の 難義(なんぎ)を告(つげ)さま〳〵|悲(かな)しみをいひ立(たて)る其あり様(さま)の いたわしさ哀(あわ)れに堪(たへ)ざりしと聞(きこへ)えし此時穀物(このときこくもつ) の直段自国他国等聞及(ねだんじこくたこくとうきゝおよび)しを有増左(あらましさ)に記(しる)せり 金壱分ニ付 奥州三春仙臺      米弐升八合       南部津軽 同     會津出羽邦米津     同四升八合 同     水戸御領馬頭あたり是は 同四升五合       野州那須郡之内武茂の郷也