翻刻
米とせは一日十五人を救(すく)ふべしすへての費(ついへ)をはふ
かは夥敷救(おひたゝしきすく)ひとなるへし富(とむ)人多年|苦労(くろう)して
ためたる米穀(べいこく)を人にほどこし其身うゆる程の
事せよと言にはあらす貴賤(きせん)共に身の程〳〵に貸(かし)遣ス
へし飢饉(きゝん)とし貸借(かしかり)の御定めも有べけれは跡(あと)にて
損(そん)とはならすしてさかえとなるへし天地の米穀(べいこく)金
銀を生(せう)じ給ふは人をいかし置為なれはかれにやりて
是にあたへぬとにはあらす然らは五|穀(こく)金銀は我物
と思ふへからすしかるを我物と思ひて人にほと
こさぬは人の道にそむけり委敷(くわしき)事は右のニ
書を見てしるへし是我いふ事にはあらす古人
の御おしへなり